GREETINGご挨拶
学長開催挨拶
金沢工業大学COI(Center of Innovation)は、COI事業9年間の最終年度を迎え最終成果報告会を開催する運びとなりました。文部科学省、国立研究開発法人科学技術振興機構のご支援とご指導により、本学のICC(Innovative Composite Center)を中核拠点としてアンダーワンルーフのもと多数の機関、企業との産学官連携により多くの社会実装につながる成果を出すことができました。この度オンラインイベントを通してその成果を発表させていただきます。
金沢工業大学COIは「活気ある持続可能な社会の構築」をビジョンとして設定し、バックキャスト思考により炭素繊維を中心とした革新材料による次世代インフラシステムの実現に向けて平成25年度より取り組んできました。
この9年の間に社会が変わり、本学も推進するSDGsの開発目標と相等しい「安全・安心な持続可能な社会の実現」を目標に常にバックキャストしてきました。「人が変わる。社会が変わる。新しい未来を作りたい。」を思いに本学自身も変わることを視野にいれ、テーマの選択と集中を繰り返しながら進めてきた研究開発の成果をぜひご覧ください。
COI事業を通してこの9年間に国内外500社を超える企業と活動を共にし、連携することができたことは大きな財産です。オープンイノベーションプラットフォームであるICCを多くの研究機関、企業の皆様にご利用いただきたいと考えます。大学の研究領域だけに留まらずCOIで実践してきた社会実装までサポートできる仕組みを後押ししながら、学生・教員・企業人の共創からイノベーションを生み出す社会実装型教育の場として発展させていきたいと考えます。
本学は、SDGsを視野にいれ、このプラットフォームを基盤に、産学協同、技術革新によりカーボンニュートラル時代を見据えた持続可能な社会につながるよう尽力していきたいと考えています。本事業にご支援いただきました文部科学省、国立研究開発法人科学技術振興機構の皆様、多くの連携企業、大学、研究機関の皆様方に厚くお礼申し上げますともに、今後とも、皆様方のご指導・ご支援を賜りたくお願い申し上げご挨拶とさせていただきます。
金沢工業大学 学長
大澤 敏
本県次世代産業の育成と社会の持続的発展に向けて
この度、「金沢工業大学COI最終成果報告会」が開催されるにあたり、一言ご挨拶を申し上げます。
本プログラムでは、平成25年度に国の採択を受け、金沢工業大学革新複合材料研究開発センター(ICC)を拠点に、「炭素繊維複合材料」の分野において、県内外の多くの企業や大学の皆様が連携し、建築や土木といった社会インフラ等への実用化を目指した研究開発が、着実に進められてきました。
県でも、「炭素繊維」を次世代産業の重点支援分野の一つと位置付け、地域独自のファンドでは全国最大規模となる、300億円の次世代産業創造ファンドを創設し、これにより、本プログラムに関わる県内企業の研究開発等を支援してきたところです。
研究開発の現場では、日々、技術的な課題やコストの問題等に直面しながらも、着実に取り組みを積み重ねられ、国際的な共同研究や、事業化に繋がった事例も多数生まれたと伺っています。
今後、2050年のカーボンニュートラルの実現に向けて、軽く、強いという特性をもつ炭素繊維複合材料は、社会のあらゆる場面で不可欠なものとなっていくことが見込まれています。
ICCにおかれては、本プログラムで蓄積された技術やノウハウ、構築されたネットワークを活かし、炭素繊維複合材料分野における研究開発から事業化までの中核機関として、これまで以上に、大学と産業界の取組を力強く牽引し、県内外の企業同士をつなぐ役割を果たしていただくとともに、末永く、地域に根差した存在であり続けていただくことを期待しています。
県としても、改めて、石川から、北陸・東海地域へと炭素繊維複合材料の一大生産・加工拠点を形成する、という強い意気込みのもと、引き続き、皆様とともにしっかりと歩みを進めていくことをお誓いするとともに、ICCが本県の次世代産業を担う企業の拠り所として飛躍をとげられますことを心からお祈り申し上げ、ご挨拶とさせていただきます。
石川県 知事
谷本正憲