次世代インフラ
No.4耐震補強用テンションロッド
概要
建築土木分野に適用するロッド材として、熱可塑性エポキシ樹脂を用いたCFRPストランドロッドの製造技術を確立しました。
また、耐震補強材としての適用開発を行い、2015年にカボコーマストランドロッドとして商品化し、2019年には炭素繊維複合材として初の耐震補強より線として、JISが制定されました。
2015年11月、自社の旧本社棟ファーボの耐震補強工事に採用されたのを皮切りに、善光寺経蔵や富岡製糸場西置繭所など、重要文化財建造物や世界遺産の耐震補強案件を中心に25案件に採用して頂きました(2021年7月現在)。老朽化した建物を補強する方法はいくつかありますが、カボコーマストランドロッドは軽く、しなやかな為、狭い屋根裏での作業でもストレスなく施工することができ、気温の変化による伸び縮みが少ないことも建物に与える負担が少なく、メンテナンスコストの低減に繋がるとのことでした。
- 富岡製糸場 西置繭所全景
- 富岡製糸場 西置繭所 水平ブレース
また別用途として、ステンレスワイヤーと比較し、軽さと気温変化に対する寸法安定性から、電力コストやメンテナンスコストの低減目的で駅ホームの転落防止用昇降式ホーム柵のカーボンロープにも採用して頂きました。(大阪駅含む9駅で稼働中 2021年7月現在)
大阪駅 昇降式ホーム柵用 カーボンロープ
その他、これまで様々な適用事例があります。実績の一部を動画にまとめましたのでご参照ください。
カボコーマ適用事例など全般に関する動画
また、カボコーマストランドロッドは、2019年11月に耐震補強用引張材-炭素繊維複合材料より線として、JIS A5571が制定されましたが、これまでは採用頂きました案件毎に端部仕様の強度を測定しながら、木造建物等の耐震補強を施工してきました。今後、広く全国の工務店等で使ってもらう為には、単にカボコーマ端部仕様のみでは使い難く、建物に接合する金物の標準化が必要と考えられる為、これまでの施工例を整理し、建物との接合に用いる金物を含めた形での標準化を進めています。
端部定着に関する動画