連携活動
連携活動
ICCは研究開発センターとして産業界とともに複合材料のイノベーションを創出します。そのため企業の研究者や開発担当者、大学・研究機関の研究者などが一堂に集うことのできるオープンイノベーションのプラットフォーム機能を有し、企業は複合材分野の市場における事業に必要となる研究開発や実証開発をICCと共同で実施し、さらに様々な分野・業種の企業とも連携した共同の取組みも行うことができます。
ICCのプラットフォーム機能
- アンダーワンルーフ、オープンイノベーションによる産学連携のネットワークの構築
- ICCの保有する高度な分析、評価装置や実大規模の試作が可能な製造装置を研究開発に活用
- 産学連携の共同研究開発プロジェクトのプラニング、公的資金による研究開発費の獲得支援
- 各種研究会活動やセミナーの主催、展示会への共同出展等による情報発信
- 企業間のビジネスマッチング機会の提供
- 海外先進地域のクラスター、研究機関等との連携(人材交流、共同研究等)、橋渡し
こうした連携活動の一例として、ICCに事務局のある“ほくりく先端複合材研究会”の活動、ICCが中心メンバーとなる“コンポジットハイウェイコンソシーアム”の取組、さらに海外産業クラスターとの連携などがあります。
ほくりく先端複合材研究会(HACM)
ほくりく先端複合材研究会(HACM:Hokuriku Advanced Composite Material Association)は、複合材料の分野において異業種による効果的な産学官連携を推進するため2004年9月に設立されました。金原勲金沢工業大学教授・ICC顧問が初代会長として、北陸地域の有志企業と研究会を開始し、2015年5月に鵜澤潔金沢工業大学教授・ICC所長が二代目会長となり、北陸やその他地域の企業の参加により徐々に活動範囲を拡げながら活動しています。
現在は約60社の会員企業が、年間を通じてセミナー、講演会や勉強会の開催、展示会への出展の他、ICCやコンポジットハイウェイとも連携した取組みを行っています。
設立来、最新動向などの情報提供や会員企業間のネットワーキング作りを積み重ねながら、さらにモノづくり・商品つくりの連携が行えるよう活動を行っています。
コンポジットハイウェイコンソーシアム
2014年11月に国内の複合材料の研究拠点である金沢工業大学革新複合材料研究開発センター(ICC)、名古屋大学ナショナルコンポジットセンター(NCC)、岐阜大学複合材料研究センター(GCC)の3拠点を中心に、東海・北陸地域の自治体、公設試験場が参画しコンソシーアムを形成し、広域的な産学官連携を推進する「東海・北陸連携コンポジットハイウェイ構想」を掲げて活動を開始しました。その後、活動範囲の拡大に伴い「コンポジットハイウェイ」と称して取組みを続けています。
複合材料の分野で世界をリードする欧州に勝る競争力を発揮するため、北陸地域に集積する繊維・機械産業と、東海地域に多い自動車・航空機産業のそれぞれが持つ強み・特長を活かし、両地域の連携を推進することでサプライチェーンを構築し、新たな市場創出の実現に向けた取組みを行っています。
これまで、新たに複合材関連事業への参入を検討・関心を有する企業を対象とした参入促進セミナーの開催、参画する多くの企業のシーズとユーザー企業のニーズに対するマッチング、年1回のコンベンションの開催、コンポジットハイウェイ・アワードを創設し大手ユーザー企業も交えた審査会や表彰式の実施、展示会への合同出展など精力的に活動を行っており、ICCも積極的にその運営に参画しています。
ドイツ産業クラスターとの連携
ICCは産学連携のプラットフォームとして海外との連携も積極的に展開しています。2015年10月、ドイツ・ニーダーザクセン州シュターデに拠点をおく炭素繊維複合材の産業クラスターCFK Valleyと技術開発と産業化の展開に協力して取組む協定を結びました。CFK Valleyはその後2019年にドイツ南部を中心に活動する産業クラスター Carbon Compositesと合併し、400以上の参画企業を擁する産業クラスターComposites Unitedとして活動しています。
この協定を契機とし、これまでICCメンバーシップの企業などによる訪問団を形成しドイツを訪問しドイツ企業との技術交流会を開催する一方、ドイツ企業団の訪問を受け入れICCと関連する日本企業との技術交流会を開催するなどの交流事業を継続しています。
2018年10月にはドイツを訪問する日本企業団として、ブレーメンで開催された熱可塑性コンポジットに特化したカンファレンス・展示会IHTEC2018にも参加し日本企業の技術をアピールしました。また複合材の世界最大の展示会JEC World展(パリ開催)においては、2019年にCFK Valley(当時)ブース内にICCが共同出展する形で産学共同研究の成果を発信しています。
さらに日本・ドイツの技術交流を基に、ドイツの航空分野や輸送分野のユーザー企業も参画する両国の企業・機関による国際共同研究プロジェクトが2020年より開始されました。
今後さらにICCとComposites Unitedの両ネットワークにある企業間の共同技術開発、ビジネスの交流を展開に向け、両者が協力した取組みを進めます。
株式会社ICEMとの連携
ICCは株式会社ICEMとの包括協力協定をもとに、大学の域を超えた新たな産学連携にも取り組みます。
複合材料開発支援サービス
- 複合材料部材に関する技術コンサルティング
- 力学試験・材料分析等によるマテリアルデータの取得
- 試作部品製造及び各種評価試験
ICCでは、株式会社ICEMとの連携を活用し、「複合材料のモノづくりイノベーションの実現」に向けて、所有する設備や国内外のネットワークを駆使した幅広い分野の複合材開発ニーズに対応していきます。