研究開発

連続成形

FRPロッド材の引抜成形

引抜成形により鉄筋代替となるコンクリート用FRP補強筋の作製を目的に、腐食しない高寿命、軽量で安価なFRPロッド材の高速成形を目指し、研究開発を行っている。

従来技術は、主剤にモノマーを用いており硬化反応や重合反応が必要となるため、樹脂の反応速度と金型の大きさによって成形速度が決定し、成形速度の高速化が難しい。対して、我々の新技術は、押出機により樹脂ペレットを溶かし、連続的にロービング繊維に含浸させる溶融含浸法を用いているため反応を伴わない。そのため高速成形が可能となり、成形速度は秒速1m(3600m/hour)を最終目標としている。この超高速引抜成形を実現させることにより、低コストなFRP筋の開発が可能となる。材料は、マトリクス樹脂に安価で耐アルカリ性に優れるポリプロピレン(PP)、繊維に耐アルカリガラス繊維(Glass Fiber: GF)、バサルト繊維(Basalt Fiber : BF)、CF(Carbon Fiber)を用いている。

FRPロッドの製造と評価について、①樹脂と繊維の界面特性の検討、②FRP筋単体の力学的特性や耐アルカリ性などの検討、③FRP筋を用いたコンクリート構造体での付着試験や曲げ載荷試験などの検討といったミクロスケールから実構造物までの性能評価をおこなっている。